
親知らずの抜歯
◆親知らずとは
親知らずとは、大臼歯(大人の奥歯)の最も後ろに位置する歯です。第三大臼歯が正式な名称で、智歯(ちし)とも呼ばれています。親知らずは永久歯の中で最後に生えます。永久歯は通常15歳前後で生え揃いますが、親知らずの生える時期はだいたい10代後半から20代前半で、親に知られることなく生えてくる歯であることがその名前の由来だとも言われています。

◆親知らずは抜いたほうが良い?
親知らずは 「不要なので抜いてしまう」 というのではなく、抜いた方が良いケースと、抜かなくても良いケースがあります。ご自分の親知らずはどうなのか?歯科医師と十分に相談されてから決断しましょう。
《抜いた方が良いケース》
1.痛みや腫れがある
親知らず自体がむし歯になってしまった、また、歯周病が原因で痛みや腫れが出ている場合。
親知らずは一番の奥の歯なので、歯磨きが難しくむし歯や歯周病になりやすいです。そのため、治療をしても再びむし歯になる可能性が高く、また手前の歯もむし歯になってしまう恐れもあります。

2.歯並びに影響がある
横向きに生えていて、手前の歯に悪影響を与えている場合。
親知らずはまっすぐに生えず、横向きに埋まっていることも多いです。その場合、手前の歯をグイグイと押して歯並びに悪影響を与えることがあります。また、第二大臼歯の吸収(手前の歯の根が溶かされるように浸食されること)を引き起こすこともあるので注意が必要です。

3.中途半端に生えている
親知らずが全部生えきらず、歯の一部だけ見えている場合。
歯と歯肉の間に食べ物が詰まりやすいため、不潔な状態が長く炎症を起こしやすくなっています。歯肉の腫れや痛みを繰り返します。

4.腫瘍や嚢胞の原因になっている
レントゲンで、嚢胞(膿の袋)や腫瘍が見られる場合。含歯性嚢胞(がんしせいのうほう)など、病気の発育によりあごの中の神経を圧迫したり、嚢胞ができることにより患部に痛みや腫れが生じます。

◆親知らずを放っておくとどうなる?
上下とも真っすぐ生えて、きちんと噛み合っている場合は問題ありません。
歯の一部だけ生えている場合は、不潔になりやすく歯肉の炎症を起こしやすい状態になります。この病気を智歯周囲炎(ちししゅういえん)といいます。智歯周囲炎は、20歳前後の人に発症する頻度の高い病気で、炎症が歯の周囲の軟組織や顎骨(あごの骨)に広がると顔が腫れたり、口を開けにくくなります。
また、「抜いた方が良いケース」でもご紹介したように、第二大臼歯の吸収(手前の歯の根が溶かされるように浸食されること)が進んでしまうと手前の歯を保存できない恐れが生じたりする可能性があります。
◆親知らずはいつ抜くのがいいの?
親知らずを抜くのは、できるだけ若いうちが良いですが、20歳前後が一番良いと考えられています。
・歯の周囲の骨は、年を重ねるごとに硬くなっていきます。若いうちは骨が柔らかく抜きやすいです。
・20代前半と30代前半の回復力は全然違います。傷の治りも、抜いた後の骨の出来上がりも若いほうが早いです。
・むし歯や病気になる前に、生えてくる20歳前後で抜いてしまえば手前の歯に悪影響も与えません。
・女性の場合、妊娠・出産によりホルモンバランスが崩れ、歯肉の炎症を起こしやすくなります。この時期に痛みが起こると薬を飲めずに辛い思いをしてしまいます。
・生えてきたばかりの親知らずは、歯根が完成していません。そのため、下歯槽神経(下顎の周囲の皮膚やお口の中の間隔を司る神経)まで距離があります。歯根が完成してしまった親知らずより低リスクです。
・中高年まで残すと、歯周病の進行で手前の歯も重症化して抜かなければならなくなります。
・親知らずを抜いた方がいいのか?お悩みの方
・親知らずの抜歯が不安な方
・「難抜歯なので当院では抜けない」と言われた方
・大学病院への紹介状をもらって通えていない方
・スケジュールが合わず予約がかなり先になってしまった方
口腔外科に精通したドクターが、CT等を使用し精密に検査・診断し、治療を担当いたします。
親知らずの抜歯をお考えの方は、お気軽に当院までご相談下さい。

TEL : 03-6903-3881

